11月13日(火)
カヤオ(ペルー)到着の日。

港には輸入してきた車。手前は我が船の客向けのお土産物やが準備中。
あの船の集団はなんだろう。

ペルーには、なんと4日間停泊します。
今回のクルーズの大きな目玉であるマチュピチュに行くには、普通に3日かかるのです。
初日は午後に到着するので、実質的には「マチュピチュに行くための最小滞在日数」というのが4日間というわけです。

マチュピチュツアーは明日からなので、今日は普通にリマの街を散策します。
港に到着するのは午後なので、朝のうちに明日からのツアーの荷造りを完了。
(この判断が、最高に良かった。)
昼食を普通に船内で食べて、12時半過ぎの放送「下船の許可が下りました。」の合図で今日のメンバーが集合します。

メンバーは同室のSさんと、Sさんが午前中に探して来たKさんとTさん(共に女性)、そして私の4人。前日のSさんとの打ち合わせでは、「タクシーに頼んでツアー形式で回ろう。」ということ。(Sさん、ほんとはタクシーで行って、そのまま市街を歩くつもりでいたようだけど、危険度を考慮して却下。)

4人で船を降りて、まずはゲートの外までシャトルバスで向かいます。港の中にはタクシーが入れないので、ゲートの外のタクシー乗り場までバスで運んでもらいます。(これは無料)

シャトルバスを降りると、すぐにタクシーの運ちゃんが押し寄せてきます。何とかして自分が客を取ろうと必死です。

その中の1人が「1時間20ドルで、好きなところに回る。2時間なら40ドル。」という提案。「3時間ならどうなる?」と聞くと「何時間でも、1時間あたり20ドル同じ。3時間なら60ドルだ。」これに乗っかって行くことにしました。
この時点では、3時間くらいで帰ってくるつもりでいましたが・・・。

運転手の名前はミルトン。哺乳瓶の消毒材と同じ名前なので覚えやすいです。(彼にはこの事実を伝えません。いえ、語学力の関係で伝えられません。)
車をスタートさせると、ミルトンはすぐに時計を確認し、「1時21分スタートね。」と確認します。私もみんなに「1時21分ツアースタートね。覚えててね。」と話します。時間給ですからスタート時刻は大切です。

移動しながらミルトンは「ここが大学だ。こっちがショッピングモール。あっちは墓地だ。」と、いろいろ説明してくれます。「このへんを日本人だけで歩くのは危険か?」と聞くと、「やめたほうがいい。」という返事。実際、なんとなく物騒な雰囲気もある。もうひとつ気づいたのが道路事情の悪さ。信号なんかあって無いようなもんで、隙あらばどんどん割り込んできます。「ここは運転できない。」とすぐに悟りました。(そんな予定もないですが。)

アルマス広場
広場で記念撮影。真ん中がミルトン。

最初に行ってもらったのが旧市街のアルマス広場。
ここで、カテドラルや大統領邸宅、博物館を回ります。ミルトンが「博物館は素晴らしいから、とにかく行ってみろ。」と強く勧めるので行ってみた博物館は、とにかく素晴らしく、美人のお姉さんの説明(スペイン語)はとてもきれいで聴きやすく(でも、理解はしていない。)、内容もおもしろくて、地下にはローマのカタコンベみたいな骨の山まであるし・・・。
でも、他の3人には不評で、「なんでこんな所まで来て骸骨見なきゃいけないだよ。」と文句を言いつつ途中でリタイア。結局私1人が最後まで見学することになりました。
その後、ミルトンと再合流して次の見学地へ。

「でも、ミルトンしっかり待ってくれてて、なんだか申し訳ないね。」
「どうせ携帯でなんかやってるからいいんじゃない?」
ん?
「いや、運転しなくていいんだから、かえっていいでしょ。」と私。
なんだか話が噛み合わないなあ。

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噴水公園には、いろいろな噴水が20くらいあったかな。

次はSさんが行きたがってた「世界一の噴水公園」。
ここの入場は、結局現地通貨しか使えなくて、ミルトンが代わりに払うことに。
(もちろん、あとでドルで払いました。)
噴水公園は、30分ほどの滞在で終了。とても素敵な公園でした。夕方からは光のショーなんかもあるらしいけど、それを見るゆとりもなし。

次はちょっとした遺跡跡を車窓から眺め、最後に海沿いのショッピングセンターへ移動。
Sさんが「せっかくだからショッピングの時間も必要でしょ。ミルトンには待ってもらって。」
Kさんが、「なんだかミルトンに悪いわね。」
「いやいや、ミルトンにとっては全然悪く無いでしょ。待ってりゃいいんだから。」と私。
やっぱり話が噛み合わないなあ。
お金には結構シビアで、外で食べるよりも船に戻って食べるようなSさんが、なぜ時間を気にしないんだろう。このままだと6時間目に突入して、120ドルだなあ・・。Sさんもこういう状況だと太っ腹なのね。(もちろん4人で割り勘ですよ。)

ショッピングセンターは近代的。でも、ペルーらしさはほとんどないかな。
チョコケーキ。店の人にどれがうまいか聞いたら、これを強烈に薦めてきた。

ショッピングセンターはとても近代的で、でもそれだけにペルーらしさがなく、解散後はコーヒーとケーキで過ごしておしまい。(ケーキは、うまかった。)
そして再びミルトンと合流して、いよいよ船に戻ります。この時時刻はすでに5時50分。
帰りはひどい渋滞。しかも交通事故(対向車線だけど)もあり、車はなかなか進みません。このタイミングで、「おそらく6時間になるから120ドルだね。」と3人に話すと、みなさん「えーっ!!??全部で20ドルじゃないの?」
「いやいや、違うでしょ。1時間あたり20ドルって聞いたよ。だって、2時間なら40ドルって言ってたじゃない。」
「でも、何時間でも同じって言った。私聞いたもん。」とKさん。
(ちなみに、Kさんが一番英語が堪能。)
「いやいやいや、何時間でも20ドルなんて、そもそもおかしいじゃん。それに最初に2時間なら40ドルって言ってたし、何時間でも同じっていうのは、何時間でも『1時間あたり20ドルは変わらない』ということでしょうが。」と私。
「でも、最初から120ドル出さないでよ。ちゃんと聞いてからお金出してね。」

結局120ドルでした。
でも、これで「噛み合わない会話」の謎が解けました。
みんなは、「何時間でもたった20ドルで動いてくれるミルトンは何ていい人。安すぎて、運転してない時間まで待たせちゃって申し訳ない気持ち。」
だから、お金にシビアなSさんも「30分買い物ね。」と簡単に決断するのでした。
その頃私は、「4時間なるな・・ああ、5時間。えーーっ?買い物? これで6時間確定。」と1人時間を気にしているのでした。

でも、どう考えたって何時間でも20ドルは不自然ですよね。船でもらった「寄港地情報」には、「ショッピングセンターまで約40分、30ドル程度」と書いてあります。40分で30ドルなら、1時間20ドルはまあまあ安いと思うのですが・・・。
それから、今回は私のリスニングが一番正しかったということで、ちょっとうれしくもありました。
120ドルとわかると、「ミルトンは何故博物館なんか勧めたんだ。くそー。」という言葉もSさんから出ましたが、それはあとの祭り。
私は楽しかったので満足です。

それに、よくよく考えればタクシーを6時間拘束して1万2000円ですから、きっとペルーでは高いのでしょうけど、そんなにひどい金額ではなさそうです。実際、他の人に聞くと、「ほぼ同じコースを一回りして、100ドルの契約をした。」という人もいました。

ミルトン、ありがとう。そして、1日で100ドル以上の収入があって、おめでとう!
(こんなお客は毎日来ないでしょうからね。)

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